眼瞼黄色腫の治療

眼瞼黄色腫とは

眼瞼黄色腫とは

上眼瞼にできる、皮膚よりも明るい黄色の扁平な隆起(塊)を眼瞼黄色腫といいます。
小さいもの直径3mm程度、大きいと数cmになります。黄色腫自体は、瞼だけではなく手足にできることもあります。中年以降の人に比較的多く見られ、徐々に広がっていきます。 脂肪を含んだ組織が増殖してできますが、良性の腫瘍で悪いものではありません。

症状

皮膚の表面に粒上の黄色い出っ張りや地図のような変形した形のものが多く見られます。
隆起部分の皮膚は、通常よりも肌触りが柔らかいかもしれないと感じる程度のふくらみです。
皮膚の一部が黄色く隆起しているだけで、痛みやかゆみはありません。
瞼の目立つ場所にでき、マスクやメイクでも隠しづらいため、見た目を気にされて来院される方が多くいらっしゃいます。

眼瞼黄色腫の原因

黄色腫自体は脂質を取り込んだ細胞が真皮内に浸潤したものです。
黄色腫は脂質異常症(高脂血症)の人に出現することが多いですが、眼瞼黄色腫は脂質異常症(高脂血症)と関係なく出現する場合が多くあります。

眼瞼黄色腫の治療方法

治療方法は、「手術での除去」と「レーザー治療による蒸散」の2種類があります。

手術

瞼の皮膚の黄色腫を切除し縫い合わせる方法です。線状の傷跡が残ります。
瞼の皮膚に余裕がある場合に手術ができ、もし切除部位が広い場合、瞼の皮膚に十分な余裕がない場合、二重の線が掛かる位置に症状がある場合は、縫い合わせたときに引きつりを起こす可能性もあります。
また、眼瞼黄色腫は手術をしても再発の可能性が高く、一度目の手術後は、瞼の皮膚に余裕がなくなるため、再手術を行えない場合もあります。

レーザー治療

レーザー治療

エルビウムヤグレーザーを使用したレーザー治療です。
レーザーを使用することで黄色腫部分を削り蒸散させ、膨らみの部分を平らにすることができます。平面を均一に蒸散させることで、治癒が早く傷も少なくなります。
炭酸ガスレーザーを使用しているクリニックもありますが、炭酸ガスレーザーだと傷跡が固くなったり凹んだりすることがあります。
それに比べて、エルビウムヤグレーザーは、レーザー後の傷跡が残りにくく傷の治りが早いのが特徴です。また皮膚も固くならず、色素沈着のリスクも低い方法です。
レーザー治療は、再発した場合も再照射ができるメリットがあります。

当院では、眼瞼黄色腫の治療時には、マイクロスコープを使用し、蒸散に残存がないか精密に確認しながら丁寧な治療を心掛けています。

エルビウムヤグレーザーとは
生体の水分に吸収されやすい波長を持っているレーザーです。
周囲の組織への熱損傷がほとんどないため、焦げ跡などの凝固層も目立ちません。照射時の出血も痛みもほとんどありません。

症例

症例1

HI治療前

HI治療後
年齢・性別 57歳女性
治療内容・期間 眼瞼黄色腫 エルビウムヤグレーザー治療と被覆材、外用剤によるケアを6か月行った術前後の写真
リスク・副作用等 肥厚性瘢痕・炎症性色素沈着・黄色腫の再発
副作用 施術後に炎症後の紅斑が残ったが、被覆材や外用剤により消退した。6か月の再発なし。
費用 60,000円と被覆材+薬剤費 数千円

症例2

TO治療前

TO治療後
年齢・性別 49歳男性
治療内容・期間 眼瞼黄色腫 エルビウムヤグレーザー治療と被覆材、外用剤によるケアを3か月行った術前後の写真
リスク・副作用等 肥厚性瘢痕・炎症性色素沈着・黄色腫の再発
副作用 施術後に炎症後の紅斑が残ったが、被覆材や外用剤により消退した。
費用 40,000円と被覆材+薬剤費 数千円

症例3

MK治療前

MK治療後
年齢・性別 55歳女性
治療内容・期間 眼瞼黄色腫 エルビウムヤグレーザー治療と被覆材、外用剤によるケアを5か月行った術前後の写真
リスク・副作用等 肥厚性瘢痕・炎症性色素沈着・黄色腫の再発
副作用 施術後に肥厚性瘢痕が残ったが、被覆材や外用剤により消退した。
費用 50,000円と被覆材+薬剤費 数千円

症例4

NT治療前

NT治療後
年齢・性別 60歳女性
治療内容・期間 眼瞼黄色腫 エルビウムヤグレーザー治療と被覆材、外用剤によるケアを6か月行った術前後の写真
リスク・副作用等 肥厚性瘢痕・炎症性色素沈着・黄色腫の再発
副作用 施術後に肥厚性瘢痕が残ったが、被覆材や外用剤により消退した。
費用 40,000円と被覆材+薬剤費 数千円

レーザー治療の流れ

STEP01治療前

局所麻酔を行います。

STEP02照射

黄色い突起した部分にレーザー照射し、削り取ります。

STEP03治療後

照射部位の再生治療を行うため、1〜2週間程度皮膚を乾燥させないように抗生物質の軟膏と特殊テープを張り、湿潤環境を保ちます。

STEP03治療の1~2週間後

特殊テープを外し、照射部位の確認をします。浅いものであれば1〜2週間、深いものでも1ヶ月程度で傷は目立たなくなります。赤みが残りますがそれも数ヶ月で取れます。

STEP04治療時の注意事項

・当日のメイク、洗顔は不可(シャワーはOK)
・翌日の洗顔はOK
・メイクはテープが取れるまで不可

レーザー照射後、傷が乾燥しないように特殊なテープを張りますが、そのテープが取れないように注意する必要があります

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